最近よく話題になるSaaS、自身がVirtical SaaSのグロースハックに3年間携わり、その後SaaSのグロースハックの支援をしていることから、欧米に負けず日本での成長を日々感じている。そこでSaaSの今後について一度まとめることにした。
SaaSの市場規模と成長率

SaaSのマーケットは年間約20%の成長を続けており、これまでパッケージ販売されたいたオンプレミス市場をどんどん奪っている。SaaSだけでなく、PaaS, CaaS, IaaSも全体的に伸びている。背景としては、高額なパッケージ版と異なり、SaaSはプライシングやすくなるため、中小企業への導入が進んでいることが要因としてあげられる。
オンプミス市場からSaaSがどんどんマーケットシェアを奪いつづけていくのは今後も変わらないだろう。日本では中小企業の生産性向上が必要になっている。ICT化は政府が支援しており、助成金も鬼のようにはらっている。導入費用や、年間の利用費用の2/3まで助成金でまかなっているような状態である。
今後も日本政府としてのSaaSのようなITツールの支援は続いていく。なぜなら背景に中小企業の赤字→黒字150万社の目標があるからだ。それ故にITツールの導入は進み続けていき、その時にオンプレミスより価格の安いSaaS導入が進むの明白であろう。
日本企業のSaaSのプレゼンスは?

上記を見ての通り、アメリカの企業に多くの市場を取られていることがわかるだろう。唯一日本でくいこんでいけているのがNTTしかいない。そしてNTTでさえ、市場占有率でいけばわずかなものである。Money Forward、Freee、SanSanと様々なSaaSがあるが国内市場にとどまっている。
とくにすでに覇者のいるHorizontal SaaSでの戦いは困難をしいられ、vertical Saasは国ごとに特徴が異なる故に展開が難しいであろう。
プラットフォーム化するHorizontal SaaS

引用:The Evolution of the SaaS Stack and What Could Come Next
SaaSの歴史をたどると、なんでもできるオンプレミスの商品がかつて支配していた。その後、各機能ごとにSaaSが現れた。更には、似たような機能のSaaSが次々と現れて群雄割拠する中で、1プレーヤーが覇者となり、その他の覇者となったSaaSにぶらさがるように、API連携で生き残る形となった。
例えばセールスフォースをイメージしてほしい。セールスフォースを使っている方ならわかるだろうが、顧客管理は全てセールスフォースで行うため、セールスフォースに連携できないサービスは、セールスフォースに情報を入れ直す必要があり、それだけで無駄な工数がかかる。そのためセールスフォースにAPI連携して生き残っているサービスも少なくない。
いずれにしても同じ機能は2つと必要ないので、必然的に覇者は一人になっていく。
Vertical SaaS

私自身介護領域のSaaSのカイポケというクラウドサービスのグロースハックに携わっていた中で、感じたことがある。Vertical SaaSの特徴としては、①有効求人倍率が非常に高く人材難である。②ITリテラシーが低く、SaaSの導入がされていない。③マーケットの規模と成長率があり事業者として魅力的。この3条件があてはまっている業界で浸透している。
特にSaaSの場合一度は導入が決まってしまうとリプレイスが難しいため、いかにマーケットが白地の状態できりこむが重要になってくる。既存のリプレイスは機能に障害が発生して全く使いものにならないとか。費用が数倍レベルで違うとかないと本当に切り替えがむずかしい。
実際に従業員のオペレーションを構築するのにも、それなりの労力がかかるので、オンボーディングまでに一定時間がかかる。こういった理由からオンボーディングをしっかりさせたSaaSのチャーンレートは低くなりやすい構造にある。
そしてHorizontal SaaSのようにVirtical SaaSでも似たようなことが起きてくるだろう。機能はカテゴリ化され必要な部分のみ他社を使うというはおきるだろう。実際に色々なVirthcal SaaSをみているが、全機能がすくれているというわけではない。コア機能を抑えて、あとは強くないけどパッケージ化する形になっている。
Vertical SaaSの勝ちパターン
Virtical SaaSの会社をみていくと人材サービスを行なっている会社がおおい。なぜなら、Virtical SaaSが入りやすい業界こそ、先述した求人難な業界だからである。そこで、人材紹介や、求人広告、派遣で事業主とのチャネルを持ちながら、コア機能としてのSaaSサービスの提供を2段構えで行うことでより強い事業主になることができる。
次回以降Virtical SaaSの戦略を1社づつ見ていきたいと思う。
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